靴教室|初めての一足はタニクリのローファーで

初めての1足に挑戦中のYさん。(手前の女性です。)

Yさん初めての一足

Yさん初めての一足


作ってみたい靴として、今はなき“タニノクリスチー”(イタリア)のメンズローファーの写真をご持参・・・。
メンズ・レディース共に“名靴”として根強いファンを持ち続ける有名ブランドです。

既に廃業してしまっているので、当然新品は購入できず、尚且つYさんの足のサイズは22.0㎝・・・。中古品でも、まず出回ることは無いでしょう・・・。

Yさん初めてのつり込み作業

Yさん初めてのつり込み作業


“ならば、自分で作ってしまえっ!”ということのようです。
ローファーの仮履きが完成

ローファーの仮履きが完成


初めてとは思えない手際の良さで、サクッと仮履きを作成・・・。

普段は22.5~23.0を履いているということで、いわゆる“踵パカパカ”状態が常だったようですが、踵もしっかりホールド出来ており、木型補正については問題なさそう・・・。
“木型補正については問題ない”というのは、実は他に気になる所見がありましたのでこのような表現ですが、詳しくは改めて記載しますので・・・。

ローファーのアッパー裁断

ローファーのアッパー裁断


その他、履き口の位置や、タッセルの長さなどの微調整を型紙で行い、取り敢えず本番へと突入します。

今回使用する革は、オイル絞りでタンニン鞣しの黒を選択しました。

ローファーのアッパー吊り込み作業中

ローファーのアッパー吊り込み作業中


縫製を終え、早速つり込み作業へ・・・。
仮つり込みの状態

仮つり込みの状態


通常、このサイズ(22.0前後)のパンプスやローファーは、1.0㎜~1.2㎜程度のアッパーが用いられることが多いのですが、今回この革の元厚は2.0㎜強・・・。
タッセルローファーのつり込み作業中

タッセルローファーのつり込み作業中


小さい木型ですと踵やトウのアールがきつくなり、吊り込み作業は熟練者でも苦戦を強いられる為、予め吊り込みシロを機械で漉いておきました。
先芯を入れた本つり込み作業中

先芯を入れた本つり込み作業中


踵部の吊り込みで、だいぶ要領を得たようで・・・、
本つり込み完了

本つり込み完了


先芯をいれたトウの吊り込みも、上手に出来ました。
セメンテッド製法の底付け

セメンテッド製法の底付け


初足ということで、今回は圧着(セメンテッド製法)で底材を貼り付け・・・、
グラインダーにて底材成型

グラインダーにて底材成型


ヒールも積み上げ、グラインダーにて最後の仕上げ作業へ・・・。

少し長くなりそうなので、完成は次回へ・・・。

※次回完成時はこちらから➭https://sakaiworks.info/2019-10-09/

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