これまで、ブーツ等で“袋ベロ”の靴を作ったことはありましたが、今回は“JM Weston ”や“Tricker’s”等でたまに見かける、短靴(ダービー[derby])バージョンで作成してみようかと・・・。
因みに“袋ベロ”というのは、靴の中に異物(砂や小石)などが侵入するのを防ぐため、蛇腹式の仕様になっているベロのことです。
これまで作成してきた生徒さんの靴でのパターンを見てみると・・・、
とか・・・、
このような、いわゆる“モカシン(Moccasins)”パターンがひとつ・・・。
※上の写真のモカシンブーツ制作風景はこちら➭http://sakaiworks.sblo.jp/article/114555351.html
また、カントリーorマウンテンブーツ等で見かける、
こんなのや、
※上の写真のマウンテンブーツ制作風景はこちら➭http://sakaiworks.sblo.jp/article/175390537.html
のような感じのパターン・・。
※上の写真のマウンテンブーツ制作風景はこちら➭http://sakaiworks.sblo.jp/article/176886954.html
因みに、上の写真のブーツの型紙は、
こんな感じで、至ってシンプルな構造です。
更には、
この様な、ライダーブーツ等でもよく見かけます。
※上の写真のライダーブーツ制作風景はこちら➭http://sakaiworks.sblo.jp/article/177774067.html
因みに、上の写真のライダーブーツ作成途中(吊り込み前)はこんな感じで・・、
ちょっと間抜けな感じです。
こうしてみてみると、モカシンは別としてアクティブなシーンで活躍する靴に多いようです。
別にアクティブな環境を想定しているわけでは無いのですが、
“これまでに作ったことが無い・・”
というのがなんとなく気持ちが悪かったので、今回は自分用に作ってみようということにしました。
こちらが、アッパー型紙・・。
こちらも至ってシンプルなのですが、非常に効率的な革の採り方というか、合理性のある作りだなぁ・・と。
昔の人って、ほんと賢いな~と感心しながら作っております。
でもって、こちらはライナーと“袋ベロ”の型紙となります。
早速アッパーを裁断し、羽根部分を縫製・・。
今回はいわゆる“平縫い”ではなく、ミシンの難易度が高い“縫い割り”にて仕上げてみました。
“内カーブ”と“外カーブ”でラインが正反対のモノを縫い上げるので、なかなか難しい縫製技術です。
今回、履き口は“パイピング”にて仕上げてみました。
パイピング後、ライナーの腰革部分のみ貼り付け・・・、
“袋ベロ”の下処理をします。
“閂(かんぬき)”位置がズレない様、様々な位置を慎重に描き写しておき・・・・、
ライナー(甲)パーツもやはり位置を慎重に確認しながら仮止めし・・・、
アッパーと“袋ベロ”、更にはライナー(甲)を一気に縫い上げます。
ステッチを見るとお分かりだと思いますが、絶妙な位置で両サイドのみ縫われており、なかなか計算された構造になっています。
※ライナーが一部青いのは、端革で余っていて勿体なかったので・・・、どうせ見えないし、自分用なので・・・。
アッパー側からだと、こんな感じになります。
後は、履き口周りアッパーとライナーを一気に縫い上げ・・・、
“イチキリ”で余分な革をさらっていきます。
今回の履き口は“ダブルステッチ”で・・・。
この後、つり込み作業等では写真を撮り忘れてしまったので・・・、
一気にここまで進んでしまいました。
尚、今回底付けは『ノルウィージャンウエルト製法』で進めることにしました。
この続きは、改めて“その弐”にてご紹介して参ります。