包丁が丸くなってしまう問題

当教室では、かばん教室とレザークラフト教室の全生徒さん、及び靴教室の一部の生徒さんには“マイ包丁”を使っていただいております。
 
マイ包丁を持っている以上、当然“包丁の砥ぎ方”もお教えしているのですが、時々、
 
“包丁の刃先が丸くなってしまうんですけど・・・・。”
 
といったお悩み相談をいただきます。
 

 
こんな感じですね・・・。
 
勿論、砥ぎ方にも問題はあるのですが、どんなに正しく砥いでいたとしても長い間砥ぎ続けているとこうなってしまいます。
 
こうなってしまうと切れ味はかなり劣ってしまい、どんな作業をするにも楽しくなくなってしまいますね・・・。
 
次の週、ご自宅で使っているという砥石を持って来てもらうと・・・、
 

 
分かりますでしょうか?砥石の面の一部がえぐれて丸くなってしまっています。※因みに使っている砥石は#1000の砥石です。
 
これではいくら時間を掛けても、刃先は真っすぐにはなりません。
短時間の砥ぎ作業で、効果的に切れ味を復活させるには、包丁の“刃先”と、砥石の面が平らであることは絶対条件になります。※一部“革漉き”専用の包丁等、元々刃先が丸い包丁もあるにはありますが・・・。
 

ということで、まずは刃先を真っすぐにしていきます。
 

 
工房にはグラインダーがありますので、ものの10秒ほどで、真っすぐにすることが出来ます。
もし、ご自宅で修正したい場合は#1000の中砥石では無理(というか、余りに時間が掛かってしまう)なので、#600前後の“荒砥石”等を購入して砥いでみてください。
 
次は砥石です。
 
まずは砥石に水をしっかり含ませて・・・、
 

 
『金剛石』でできた、“砥石を研ぐ砥石”で面を平らにしていきます。
 

 
えぐれている部分が少しだけ小さくなりました・・・。
 

更に砥いでいくと・・・、

 
いかがでしょう?少しずつですが、えぐれの面積が小さくなってきているのがお分かりになりますでしょうか?
 


 
ということで、平らに砥ぎなおした砥石で5分程砥いだ包丁が、こちらです。
 

 
切れ味もしっかり復活いたしました。
 
皆さん、包丁を研ぐ時って、どうしても包丁の事だけを考えて砥いでいる方が多いのですが、砥石の事も考えて砥いでください。
狭い、同じところ(前述の生徒さんの場合、砥石全体の2/3程のところ、長さでいうと10㎝位)で100往復させたすると、2m分を砥石に擦り付けていることになるのですが、砥石全体を使う(長さでいうと20㎝位)と同じ100往復でも4m分が砥石に当ることになります。
また、前後だけでなく左右も含め砥石面全体をまんべんなく使うことによって、砥石も均等に削れていくため、“えぐれ”も最小限に抑えることができますので・・・。
 
尚、“砥石を研ぐ砥石”は購入すると¥3,000~¥4,000位しますので、個人でやるときはバケツに水を汲み、ご自宅前の道(コンクリート)の平らなところでやると同様に復活すると思います。
 
ただ、私も昔経験ありますが、ご近所や通りすがりの方にかなり怪しい目で見られることになりますので、なるべく人通りが少ない時間帯で行うことをお薦めします。