ノルウィージャンウエルト製法で進行中の袋ベロのダービーの続きです。
※その壱はこちら➭短靴(ダービー[derby]シューズ)を“袋ベロ”で作ってみる・・・その壱
中底+アッパー+ウエルトを一緒に掬い縫いし、ノルウィージャンでは定番のチェーンステッチを掛け、その後はウエルト+ミッドソールに1回目の出し縫いを掛けるのですが、その部分もチェーンステッチだと面白くないので、いわゆる“弁髪縫い”というのを施してみました。
イメージとしてはドイツの『ハインリッヒディンケラッカー』っぽい感じです。
本場のディンケラッカーは2本の“革ひも”と蝋引きした麻糸を編み上げているのですが、正直個人的には“革ひも”の強度をあまり信用していません。鞄や革小物でたまに丸革ひもを使うのですが、手で思いっきり引っ張ると意外と切れ易いんです。
ということで、全て9本縒りの麻糸を使用してます。※っぽく見せる為、黒と黄茶に染めてます。
ミッドソール+アウトソール、いずれも5㎜強の革なので、相当ごつい感じになりましたね・・・。
ということで、続いて車ゴテ・・・。あまり深く考えずに作業を進めていたせいかピッチ12で当ててしまいました。
これまで既に2回の底縫いを行い、これで3回目の出し縫い・・・。しかもダブルウエルトなので全周縫うことを考えると、ここはピッチ10が無難だったのですが・・・。
厚みが10mm、且つ出し縫い2周り分なので、単純計算で出し縫い糸は約7m以上!!
後悔したところで既に遅し・・・。覚悟を決めて進めるしかないっす・・・。
ヒドゥンチャネルの為、薄皮を捲り~の・・・、
溝を掘り~の・・・、
チクチク、チクチク・・・、出し縫い作業・・・。
なんだかクラクラしながらの作業でしたが、その分達成感はひときわですね・・・。
まあここまで来たら、やってみたいことは詰め込んじゃえっ!!
ということで、これまた初めてなのですが、ハーフソールの埋め込みを・・・。
これまでハーフソールは教室でもオーダーでもやってはおりますが、埋め込みは初めての試みです。
まずは型紙通りにラインを引き・・・、
包丁で2㎜程の深さで切込みを慎重に入れ・・・、
この様に段差を付けるように、革底を包丁で削りだしていきます。
※はめ込んだ画像は、最後完成写真でご覧ください。
トップリフトの固定も今回は“隠し釘”を施してみました。
化粧釘等は今まで施してきましたが、こちらも初の試み・・・。どの程度効果があるのかを実感してみたかったので今回初の試みです。
ということで、完成~!
体重60㎏前後の自分では10mm以上の革底は初めてだったので、いわゆる“返り”の良し悪しが気になる所でしたが、2~3日履いてみると案外気にならず馴染んできました。