歴10年目のOさん・・・。
これまで靴やかばん等、様々作ってまいりました。先日工房に置いてある、サンプル用の“ラウンドファスナー札入れ”を見て、
『次作はこれにチャレンジしたいですっ!!』
ということで、工房にある型紙を使い、早速革の裁断へ・・・。
因みにこの長財布、革のパーツだけで15種、裏地パーツも15種、芯材6種と型紙だけで30個近くあります。
これだけたくさんのパーツを組み立てていくわけですから、一番外側の革以外はかなり薄く漉いていかなければなりません。
本体ベースの革は1.2㎜厚(ライトベージュのタンニンレザー)ですが、内装部分は0.4mm~0.9㎜厚程に抑えなければなりません。
流石に生徒さんでは0.4㎜というのはかなり難易度が高いので、漉きは機械を使いこちらで行うことになります。
写真のえんじ色の革が内装部分に使うパーツですが、0.4㎜厚に・・・。
また、端は“ヘリ返し”を行うので、更に“斜め漉き”を施すのですが、流石にこれ以上は機械では無理です。
ということで、ここからは生徒さん自身でいわゆる“手漉き”を行って参ります。
“マイ包丁”を使って、早速“手漉き”を始めたOさん・・・。ただ、全然漉けないっ!!
この日に備えて、お家で包丁研ぎを行ってきた様ですが・・・・、
あちゃ~、これじゃぁ全然ダメですね・・・。“刃”が丸くなってしまってます。
研ぎ方にも問題はありますが、一番の問題は『砥石』ですね・・・。
包丁が『消耗品』であるのと同様に、砥石も消耗品です。長いこと使っていれば当然擦り減ってきます。
また、上下に往復させて研ぎますので砥石の真ん中部分が少しずつ凹んでいきます。
砥石を研ぐ砥石“金剛石”でチョット研いでみたのですが、お分かりでしょうか・・・?
周りの白っぽくなった部分は金剛石に当っているのですが、真ん中の濃い部分が当っていない状態・・・、つまり窪んでるんです。
こんな砥石で研ぎ続ければ、自ずと包丁の刃先も丸くなってしまいます。
ということで、砥石を研いでいきます。
こちらが4~500往復、約15分位かけて研いだ状態・・・。窪みが少し小さくなってきました。
こちらが1000往復、約30分位かかりました。どうでしょう?ほとんど窪みが無くなってきました。
ということで、平らになった砥石で、丸くなった包丁を研いでいきます。
300往復程研ぎましたが、右側は砥石に当って角が出てきましたが、左端~5㎜程がまだ砥石に当っていない為、まだまだです・・・。
ということで、結局7~800往復程研ぎを施し、ようやく刃先が真っ直ぐになったところで、早速革漉き再開です。
お~、サクサク漉けますな~!!
※因みに作業動画はインスタからご覧いただけます。➭Oさん革漉き作業
ということで、メンテをサボると超~大変っ!!全部自分に返ってきます。
なのでメンテは面倒くさがらず、こまめに行いましょう。
※尚、この続きのブログはコチラ➭かばん教室|ラウンドファスナー長財布・・母の日には間に合いませんでしたが。