久しぶりにブーツ作り・・・、秋冬に向けて丁度良い頃合いかと・・・。
まず、ベロ部分をクリッピング・・・。
教室の生徒さんの靴の場合、ほとんど業者さんにお願いしておりますが、今回は自分で・・・。
おおまかなデザインはこんな感じです。
オイルヌメのライトブラウンをベースに、履き口部分はベージュのスウェード(スーパーバック)のコンビネーションにしてみました。
単純な“親子穴”ではなく、5種類の大小の穴を使い分けてやや控えめな感じで・・・。
ミシンステッチは全て“ダブルステッチ”を施してみました。
更に今回は“スキンステッチ”も取り入れてみました。
スキンステッチとは、裏面から針を入れた後、表側へは針を貫通させず、革の内部のみを縫い通すという、やや難度の高い縫製の事をいいます。
裏から針を入れて一旦革の断面に出し(因みに革の厚みは1.5㎜程)、更にもう一方の革の断面から刺した針を再び裏に通しているわけですが、内部のみを縫い通すので表面には縫い糸が出てきません。その代わり縫った跡が紋様のように浮かび上がります。
正直、強度的な意味合い等は全くなく、単なる装飾的な意味合いの技術ですが、一部の靴好きにはたまらない意匠のひとつです。
代表的なところではエドワードグリーンやオールデンといった、高級メンズブランドでよく見られます。
たったひと穴でも表に貫通したりすると、そのパーツは全て採り直しになりますので、かなりリスキーな縫製です。
でもって、モカ縫いも“ライトアングルステッチ”という難易度高めの縫製・・・。
こちらも、表面から刺した針を裏に貫通させず、革の側面(こちらも1.5㎜厚の断面に針と糸を通します。)に下穴を空けていくので、スキンステッチ同様、リスキーな技法です。
ひと穴無事に空く度に、ため息をつきながら進めてます。
無事アッパーが完成し、つり込み作業へ・・・。
先芯をしっかりと固めて・・・、
木やすりやガラス片、サンドペーパーを使って、きれいなラインになるよう成形していきます。※奥が成形前で、手前が成形後・・。
底面のエッジをしっかりと出し、かつ歪みのないよう慎重に進めていきます。
ということで、無事つり込み作業まで進みました。
次回は掬い縫いからです。
※因みに“その弐”はコチラ➭秋冬に向けオーダーブーツを作る~その弐