昨年暮れから、かばん学校に通っていただいているYさん・・。
確か、基礎カリキュラムは3月あたりで終わったと思います。
その時に撮った、玉縁ち付きの小銭入れ・・・。(作成途中のものでスミマセン・・。)
その後、ポーチやらトートバッグ等を作成されましたが(こちらもスミマセン、写真撮り忘れました。)、だいぶ手順も流れもご自分でつかめてきたようで、続々と革やら備品やらを大量に購入してきています。
こちらは、ファスナー関係・・・。
ファスナーもいろいろなタイプのものがありますが、やはり丈夫で壊れにくいのは、コイル式のタイプよりもひとつひとつの務歯(テープについている金具のこと)が独立しているタイプのモノです。(ブランドバッグ等もこちらが主流ですし、当工房でも同じタイプのものを使用しております。)
ただ、サイズが#3とか#5とか#8とかあって、テープ(生地)の色も革の色味に併せてある程度の種類を揃える必要があり、尚且つ務歯とスライサー(引手の金具)も、シルバー、ゴールド、アンティーク等、結構選択肢が多いんです。
例えばテープの色を5色分・各5m分を揃え、サイズも2種類、金具の色も3種類とかとなると、5x2x3=30パターンとなるわけで、結構な金額になってしまいます。
なので、Yさんには、
“最初からある程度揃えようとすると、結構支払いの時にビックリするから気を付けて。”
と言っていたにも拘わらず、上の写真のファスナーを持参し、
“全部で9万かかっちゃいました~!”
“あ~ぁ、やっちゃった~・・・、だから言ったのに~。”
“大丈夫です、どうせいずれは買うつもりでしたから。”
その後も、革(クロム鞣しやタンニン鞣し数枚)やら、一番上の写真の裏地(多分シャンタン・・)やら、工房に来るたびに購入してきた備品類を抱えてくるYさん・・・。
将来的には、今の自営のお仕事(アパレル関係のようです。)に革を合わせたモノを作り、世に出していきたいとお考えの様です。
とても前向きに取り組んでいらっしゃるのでこちらも応援しておりますが、あまり気合を入れ過ぎて奥様に叱られないようにしてください。
ということで、こちらは先週完成した、小銭入れ3種。
クロムの革で作成し、バスコでコバ処理したものと・・・、
タンニンレザーで作成し、コバ処理したもの・・。
同じ形のものを複数作ることで、ミシンや革漉きの技術的なこと、また色々な革の特性等を効率的に吸収していく姿勢はお見事です。
でもって、次はペンケースをやはり3つ作るようで、また新たな革を持ってきました。
ホントに奥さん大丈夫?