レディースのオーダーブーツ製作工程となります。
今回は、茶系の革・スゥエードを使った“内羽根”仕様のデザインとなります。
まずは仮履きを作成・・・。
小柄な方で足のサイズは22.5㎝、ただし“外反母趾”がかなりキツい状況で木型にはかなりBPに肉付けをして作成しております。
でもって、実際暫く履いていただいたところ(今回はひと月以上試し履き)、概ね順調だとのことですが、やはりBPラインの締め付けがやや強いとのことなので、更に木型を修正・・・。
更に5㎜~8㎜程のっけての本番製作へとなりました。
本靴での使用する革は【ヌメ革アリニン仕上げ】の“ショコラカラー”と、※写真右側の革
高級スゥエード革【スパーバック(英国)】の“キャメル”をご所望・・・。なかなか上品な選択です。
ということで“アッパー縫製”が完成です。尚、ファスナーが下がり易かったとのことで、本靴では“隠しファスナー”仕様にしております。
続いて、ハンドソーンウエルト製法用の中底加工作業へと移ります。
今回は“湯戻しベンズ”を使用してみました。オーダー主は小柄な方なので、体重は軽め。ハンドソーンの場合中底で5㎜、本底でも5㎜とかなり厚みが増し、いわゆる“返り”が悪くなります。体重が80~100㎏のメンズならともかく、4~50㎏の方にはかなりしんどいと思いますのでベンズの中でも柔軟性のあるこの革を使用してみました。
また、浸水時間が30分程と短くて済み(通常のベンズは丸一日)、陰干しで乾燥させるとしっかりと強度も戻り、刃の入りが良いので作業もし易いのが長所ですね。
ただ、浸水➭乾燥の際の革の伸縮が他の革と比べて大きいのが特徴なので、その点は注意が必要です。
まずは“土手”外側に2㎜の深さの溝を掘り・・、
ウエルト用の革を切り出します。
今回“フマズ”部分はフィット感を出す為、中底を巻き上げるような仕様になっております。
続いて、“土手”内側に同じく2㎜深さの溝を掘り・・・、
こんな感じで、リンゴの皮をむく様に1枚に繋げて革を切り出します。
切り出した薄革は“掬い縫い”の後、糸を隠す為嵌め込むので、キープしておきます。
一枚に繋げてカットできると、とっても気持ちいいんです。
ということで、長くなりましたので、続きはまた次回・・・。