歴1年、現在2足目のHさん・・・。
前作は外羽根でしたが、今回は内羽根[バルモラル: balmoral]タイプに挑戦です。
➭前回の靴はこちら・・・、靴教室|初めての1足目は外羽根デザインで・・。ついでに鏡面磨きも初挑戦!
1足目とは木型も変えたので、改めて仮履きを作成・・・。
足入れし履き心地を確認したところ、問題なさそうなので、早速本番へと入ります。
前作同様、履き口周りは“ヘリ返し”(折り込み)という装飾技法で進めます。
今回使用する革は、“アリゾナ”という高級タンニンレザーで色は“ターコイズ”カラーを選択・・、ちょっと奮発してみました。
タンニンなので、“切りっぱなし”で磨きを行う、という選択肢もありましたが、
“もっとへり返しを上手にできるようになりたい・・・。”
ということで、今回も“ヘリ返し”で進めることに・・・。
普段、靴の生徒さんの“ヘリ返し”の時には、上の写真のように主に『目打ち』という道具のみで作業を行っていただくのですが、
“もっとキレイに仕上げたいっ!!”
という向上心とチャレンジ精神に絆(ほだ)され、
普段は革小物で使う“菊寄せ”用のヘラを使って作業を行っていただきました。
上がいわゆる“目打ち”という道具で、下が革小物用で使用する菊寄せヘラです。
前作よりは、納得がいく感じに仕上がったようです。
続いて、ライナーを裁断し、組み立てていきます。
尚、今回の靴は、履き口のかかと部分に“クッション”を入れる構造となっており、ちょっと組み立て方法の難易度が上がります。
この様に、かかと部分のみ“縫い割り”にて縫い上げ・・・、
グルンと内側にひっくり返し、間に10mm厚のクッション材を挟み込み・・・、
この様に履き口周りを縫い上げます。
スニーカー等でよくみられる技法ですが、この様な一見フォーマルなタイプの靴でもクッションを入れることで、履き口周りのアタリを軽減し、より履きやすく仕立てることができます。
外からはあまり目立ちませんが・・、
内側(ライナー側)から見ていただくと、かなりクッションが効いているのがお分かりだと思います。
この後、閂(かんぬき)止めを行っていきますが、より難易度の高い“シャコ止め”にも挑戦予定のHさん・・・。
その様子はまた次回ご紹介します。