7足目のSさん・・・。
前作で初めてハンドソーンウエルト製法に挑戦し、今回も底付けは同じくハンドソーンとなりましたが、アッパーデザインについては“ホールカット”に挑むことになりました。
ホールカットってシンプルなデザインですので、特に初めて靴を作る方の中には、
“一番シンプルで簡単そうだから・・・。”
と選択する方が多いのですが、“吊り込み”の事を考えると、実は一番難易度の高い靴ともいえます。
ということで、Sさん、満を持してのトライですっ!
まずは仮履き(フィッティング)を作成します。
木型は前作の木型をそのまま使い、また履き心地も極めて良好、とのことだったので、こちらとしては“仮履き”は無くても良かったのですが、やはり吊り込みの難易度を事前に体感しておこう、ということのようです。
また、本番では“染め”もやってみたいということで、必然と使用する革は“ヌメ革”となります。
ということで、仮履き用の革も“やや堅め”のクロムを使っております。
このように、なかなか甲部分の革の弛みが消えてくれません・・・。
ワニを使って革を引っ張り、釘で留め、また釘を抜いては更には革を引き、また釘で留め・・・という作業を何度も繰り返し・・・、
少しずつですが、弛みが消えていき、甲部の革が木型に吸い付いていくのが分かります。
いい感じで仕上がりましたね・・。
ということで、ここからは中底の加工作業です。
5㎜厚のショルダーを水で濡らし、木型に固定、癖付けをしたものに、まずはウエルト用の段差を付けていきます。
更には掬い縫い用の“土手”を削り出す作業へ・・。
こちらも、今回は“ダブルウエルト”にする為、ヒール部分にも土手を作っていきます。
7足目ですが、これまでやったことの無いことに次々チャレンジするSさん。
次回の登場が楽しみです。
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