歴8年目位でしょうか・・・・、Mさんの靴はチロリアンシューズです。
素材は黒のスウェードを使いたいと・・・・、しかも、
“折角なんで、ちょっと高級な感じのスウェードってありませんか?”
ということで、使用したのは“スーパーバック”という高級スウェードレザー・・・。
イギリスのリーズにある、1904年創業の老舗『チャールズ・F・ステッド社』というタンナーが製造しています。
スウェードは、革の床面をサンドペーパーでベルベット状に起毛させた革のことで、このスーパーバックは特に毛足が短く、またキメが細かく目の詰まった上品な起毛が特徴で、その品質の高さから世界的有名ブランドの靴のアッパー(甲革)素材に採用されています。
なので、糊が付いたり、ほこりが付きやすかったりで結構大変っすよっ!!
モカラインの穴あけも、数が多くて結構大変そう・・・・。
しかもスウェードって、原則“革漉き”ができないから、結構面倒な素材なんですよね・・・。
普通履き口は、切りっぱなしかヘリ返しが多いのですが、“漉きができない”ということもあり、パイピング仕様にすることに・・・、
ということで、パイピングのミシン縫いです。
お~、流石8年目位?、なかなかキレイに仕上がりました~!
仮つり込みをして・・・・、
ほら~、早速細かいほこりが・・・、しかも黒だから目立つ~!
まあ、ほこりは後でブラシで落とせばいいのですが・・・・、でも糊だけは絶対禁物ですよっ!!
ということで、かかと芯を作成して・・・、
吊り込み作業へ・・・。ホワイトペーストも絶対アッパーに付けちゃ駄目ですよ。
なんとか、目立った汚れは付かなかったみたいですね・・・。
最後に、底付けの為、グラインダーで削って・・・、
今回底付けは圧着式(セメンテッド製法)で行うみたいで・・・、
ベージュのクレープ(ゴム)素材をチョイス・・・。
ということで、色々と気を遣う工程が満載でしたが、完成~!!
なかなか、いい感じに仕上がりました。
Mさん、次は再度奥様の靴作りに入ります。
なんでも、かなり気に入ってくれて、相当ヘビーローテーションだそうで、2足目をご所望とのこと・・・。
うれしい限りです。