朝ドラ『カムカムエブリバディ』の“るいちゃん”。
昨日の水曜日は、たった15分ドラマにも拘わらず、ほぼ全ての登場人物の
“えっ!?”と驚くような怒涛の展開が、これでもかっ!という程詰め込まれ・・・・、
なかでも最後、お母さん大好きだったるいちゃんが・・・、
“お母さん、大っ嫌いっ!”
ならまだしも、
“I hate you!”
って・・・・。それはなんでも・・・。子供って残酷・・・。
まるでフォースのダークサイドに落ちていくアナキン・スカイウォーカーのようで、朝ドラらしからぬ展開に朝から号泣、アンド木曜になっても、未だ引きずっている今日この頃・・・。
さてさて、気を取り直して話は変わり、かばん教室のMさん・・。
シェル型のショルダーバッグで、いわゆる“帯マチ”とか“捨てマチ”等と言われる構造のバッグを試作中です。
これまでも“帯マチ”のバッグは作ったことがあるので、これまでの経験を基に、今回はご自宅で考えてきた型紙で革を裁断し組み立ててみるも、なかなか思い通りにいかず・・・、ちょっとお悩み中・・・。
※因みに前に作った“帯マチ”構造のバッグがこちら
➭かばん教室|基礎カリキュラム後、初めて作ったショルダーバッグ
でもって目指すデザインは、こんな感じ・・・。
なるほど今回のパターンは、帯マチが直線では無く、外向きカーブと内向きカーブが入り混じった、かなり難易度の高い構造なんですね。
ということで、私の方でcadを使って、パターンを作ってみました。
少し小さくて分かり辛いですが(画像を右クリックし“新しいタブで画像を開いて”拡大すると数値も見えると思います)、基本はステッチの長さ(ファスナーマチと帯マチの内縫い部分)を合わせるということです。
革が厚く手縫いで組み立てるようなケースでは、革の厚みも反映させて、ステッチ部分の長さを微調整する必要がありますが、今回はミシンで組み立てていくので、内縫い代は0.8㎜程の段漉きを施しております。よって革の厚みは無視し、まずはステッチの長さを合わせていきます。
今回のケースでは、緑の点線A´~C´=239㎜で、これが内縫いステッチの長さになります。(因みに内縫い代は3㎜で採ってあります。)
それに対して、帯マチの内径・青い実線a~bは234㎜と、断面の長さは△5㎜となります。
続いてファスナーマチですが、マチ幅を任意で56㎜、またファスナーの長さを194㎜としたとして、上の239㎜という数値をベースに、赤い点線のA´~B´=239㎜で作図します。更に、その外側に内縫い代として3㎜プラスしたラインがファスナーマチの外径となります。
外側にシロが付くので、自ずと239㎜より長くなり、青い実線A~B=243.5㎜となり断面の長さは+4.5㎜となります。
内縫い代となるステッチの長さは、いずれも239㎜と数値は一致しているものの、ツラを合わせる断面(外径・内径)の長さが、片や△5㎜で、片や+4.5㎜となり、トータル10mm程の誤差が生じます。
ここで、行うのが、内縫い代に施す“切込み”と“キザミ”です。
帯マチ内径234㎜を239㎜にする為、数か所“切込み”を入れ、その切込みを開きながら貼るようにし、対してファスナーマチ外径243.5㎜を239㎜にする為、“キザミ”を数か所入れ、それをいせ込む様に貼ることによって、10㎜近くある誤差を無くしていく方法です。
分かりますかね・・・・。
厳密には、“切込み”や“キザミ”を入れる箇所も、どこでもいいというわけではなく、ある法則があるのですが、ここでは長くなりますので説明は省きます。
ということで、1㎜厚の革を使った試作品がこちらです。
ファスナーマチ部分には0.6㎜のスライサーを、胴部分には0.8㎜のボンテックスを芯材として使用して、ざっくり組み立ててみました。
なかなか、文章だけでは理解できないとは思いますが、ある程度慣れてくると『型紙作り』の面白さがお分かりいただけれと思います。
ということでMさんには、プリントアウトした型紙をお持ち帰りいただき、ご自身で作ったものとの違いをじっくり検証いただくこととなりました。