こちら、あるご婦人が海外旅行中に偶然見つけたという黒のトートバッグ・・・。
表題の通り、シンプルなデザインと、トートの割にカチッとしたフォルムがお気に召されて購入したのですが・・・、
どうも、素材が合皮だったようで・・・、持ち手が割れる割れる・・・。
よく見てみると、持ち手以外にも負荷が掛かる部分には所々にひび割れが・・。
購入してまだ数年しか経過しておらず、また使用頻度もそれほどでも無いのに・・・、ということでしたが、合皮あるあるですね・・・。
合皮は素材そのものが製造されてからどんどん劣化が始まる素材です。
“このバッグが作られてから”、ではなく“素材が出来てから”既に始まっているということですね。
なのでメーカーさんのほうで素材を大量に発注し、仮に3年寝かせられていれば、もし新作として購入してもその時点で既に3年劣化が進んでいる、というわけです。
特に今回の様に“ハードタイプ”の合皮は、“割れ”が顕著に出てきてしまいます。
ということで、同じデザインでオーダーです。
革はやや堅めの黒のカーフ素材を使います。
オリジナルの作りは、ステッチが全て“平縫い”となっている模様・・・。
トートバッグ等は一般的に“内縫い”仕様が多いのですが、このようなハードな素材ですと、最後ひっくり返すことが出来ないので、全て“平縫い”仕様になっております。
“八方ミシン”があれば、ハード素材でも“平貼り・平縫い”仕様で進められるのですが(現物のステッチはミシン仕上げとなっております。)、うちはアームミシンのみなので、依頼主さんに了解を取り本体部分は全て手縫いにて仕上げていくことに・・。
底面の構造も一般的なトートとは少し変わっています。
また、カチっと自立させるには堅さが不十分なので、革の芯材(ナンポウ)を入れております。
最後に“根革”と持ち手を仕上げ・・・、
完成~!
因みに、こちらもオーダー品。持ち込みのネイビーの革を使って姉妹で使えるように、と同じサイズ・デザインで2つ。
※その他のバッグのオーダーはこちら➭特注サイズでオーダーメイドの“トート&リュック”①~構造も特注です、の巻