靴づくりの基本②~ポストミシン【上糸編】

第2回目の“靴づくりの基本”は革用ミシンを取り上げたいと思います。
※第1回目“革の裁断編”はブログ右側カテゴリーの『靴づくりの基本』をご参照ください。

当教室へ通い始められる方の8~9割の方が、
“ミシンは小学校の家庭科以来、触っていないんですけど・・・”

といった感じです。

日ごろ家庭でミシンを扱っている、という主婦層の方々は比較的早く慣れますが、そうでない方が最初に苦戦を強いられるところがこのミシンの扱いのようです。

ということで、ここから数回に分けてミシンのセッティングの仕方(上糸・下糸の正しい通し方)、実際縫う時の注意点等を写真を使ってご説明していきたいと思います。

長くなりますので、今回は【上糸編】ということで進めていきます。

※針の交換(仕上げ用・縫い割り用)やピッチの調整等は教室でお渡ししているプリントの説明で十分お分かりいただけると思いますのでここでは省略します。

当教室で、靴用のミシン(ポストミシン)としておいてあるのが、

こちらの『PW-6』(窓に向かって右側のポストミシン)

そして、PW-6の次のバージョンとして出た、

こちら『LPW-6』の2台です。(窓に向かって左側のポストミシン)

『靴用』と書きましたが、別に靴専用ということではありません。
縫物(主に革)の厚みが、~2.5㎜以下の場合は、主にこちらの“ポストミシン”で縫っていただいてます。
ですので、『革小物』や『かばん・バッグ類』で差ほど厚みがない場合はこちらの方が扱いやすいので、こちらで縫うことをお勧めしている、ということです。
※3㎜以上の革・布等の場合は(主にかばん・バッグ類になりますが)、TE-5とTE-6bというミシンもありますので、こちらを使っていただいてます。詳しくは“鞄づくり、ときどきブログ”で掲載。

あと、上の2台の違いは殆どありませんが、写真の通り、若干のマイナーチェンジがされているという程度ですので、どちらもほぼ同じと思っていただいて構いません。

まず、“糸置き”に糸を置きます。

このミシンで扱う糸の太さは主に#20と#30がメインとなります。ごく稀に#8も使います。

糸が自然に出てくるように、まずはこの写真のように糸を通します。

その後、ミシン本体上にある“アンテナ”部分にこのように通します。

次の三つ穴の台も、こんな感じで・・・、上から下へ、そして捻りながら右から左へと3つの穴を通し・・・、

その後、ここが重要なポイントです。
家庭用等、どのミシンもそうですが、糸には必ずある程度の“テンション(張力)”を掛ける必要があります。
そのテンションを掛けるのがこの部分です。

2枚の銀色の皿のようなものが重なり合っていて、その間に糸をしっかりと食い込ませます。皿の手前には“渦巻バネ”が付いており、手前のネジ(黄色いマスキングテープが貼ってある部分)を回すことによって“テンション”を調節する、という仕組みです。

しっかりと糸をかませたら、アルファベットの“S”の字を描くように糸を通し、

この“糸とりバネ”と呼ばれる部分に糸を掛けます。
この部分の糸の通し方は写真と文章だけでは少し分かりにくいので、教室で実際にご覧いただきながら説明していきます。

その後は“天秤”に糸を掛け・・、

ゴミ採り綿のところに引っ掛け・・、

最後に“針棒糸掛け”に通して、上糸のセッティングは終了となります。

最近のコンピューター等が内蔵されている家庭用ミシンは、
“ここに糸を置いて、ここに引っ掛けるだけで誰でもすぐに使えますっ!”

なんていうものが多い中、やはり工業用でしかも革用のミシンですので多少複雑ではありますが、数回で慣れると思います。
ただ、どうしても皆さん“縫う”ということに専念しすぎて、最も需要なセッティングを軽視している傾向があるので、ここで詳しく書かせていただきました。
※初心者の方は教室での練習後に、またある程度慣れた方でも他の作業でミシンの扱いがしばらくぶり、といった方も、教室以外の場所で復習がてらザッと読んでいただければ、と思います。

正直、ステッチが綺麗か綺麗ではないか、というのは、上手い人もそうでない人も殆ど差はないと思います。
それよりも、正しくセッティングできているかどうかが、大きな失敗を防ぐ最大の方法だと思いますので、是非ご参考にしていただければ幸いです。